423 金銭的請求権

 商標権は、表示されている標章(マーク等)を模倣することが容易であるため、商品を販売するだけで侵害の危険に曝されます。そのために、出願したら直に、現に使用を始めている商標に化体する業務上の信用を保護するために、金銭的請求権が認められています(商標法第十三条の二第一項)。

これは、以下の要件が満たされる場合、出願人は業務上の損失を補填するために、損失に相当する金銭の支払いを第三者に対して請求できる、というものです。
@出願した商標を無断で使用している第三者に、出願内容を記載した書面を提示して警告すること
A警告した後、登録を受けるまでの間に、第三者が出願した商標を使用していること
B第三者の使用によって業務上の損失が生じていること
この請求権は、登録を受けた後でなければ、行使することはできません。登録を受けることができない、保護を受けるに価しない出願商標は、金銭的請求権は認められないからです。
ここで、第三者のどんな行為が、対象とされるのかは、商標を使用する権利間接侵害と同様です。

なお、本規定では、出願人に業務上の損失を与えている事実の存在を要件としたことから、出願人による出願商標の使用の事実が必要とされます(特許庁編「工業所有権法逐条解説第18版」抜粋)。