213_4 ありふれた名称のみの商標

条文では、「ありふれた氏又は名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」(商標法第三条第一項第四号)となっています。
【説明】これらの商標は自他商品等の識別力がないからです。
では、どの程度がありふれているというのかという問題ですが、原則として同種のものが多数存在するものが、ありふれたものです。例えば、50音別電話帳等でかなりの数を発見できるものをいいます。
氏名を持つ自然人の場合、氏と名がそれぞれありふれていても、それらが結合して「ありふれた」とはいえなくなる場合には、本号に該当しません。法人の場合の名称は、商号 の概念も含みます。

「ありふれた氏又は名称」を仮名文字やローマ字で表示したときは、原則として本号に該当するものとされます。

ありふれた氏、業種名、著名な地理的名称(行政区画名、旧国名、外国の地理的名称を含む)等に、「商店」、「商会」、「堂」、「協会」、「研究所」、「製作所」、「株式会社」、「K.K.」、「Co.」等を結合する商標は原則として、「ありふれた名称」に該当するものとされます。ただし、行政区画名と業種名とを結合してなる会社名は、普通に採択されうる名称である場合でも、他に同一のものが現存しないと認められるときは、例外があります。
例えば、役務36類「資金の貸付け及び手形の割引、生命保険の引受け等」に商標「日本生命保険相互会社」(商標登録第3042173号など)が登録を受けています。

【例外】ありふれた名称のみの商標に該当する場合でも、全国的に認識されれば、商標法第三条第二項の例外が適用され、登録を受けることができます。