431 商標権の更新

 商標の保護は、登録を受けてから10年間ごとに更新登録を繰り返せば半永久的に、保護を受けることができます。
 特許権も出願から20年間、保護を受けることができますが、商標権のように更新登録はできません。商標権は、商標に化体した信用を保護することを目的とするので、特許権のように存続期間を限る必要がないからです。特許権や実用新案権や意匠権は、その創作者が創作物である発明などを独占したいという要求と、社会一般のその発明を早く自由に利用し事業に資したいという要求との調和点として、存続期間を限っているからです(特許庁編「工業所有権法逐条解説第18版」抜粋)。

 更新登録とは、具体的には商標権者が更新登録の申請書を特許庁長官に提出し、同時に登録料を納付することで、更新登録を受けることができます(商標法第二十条)。これにより、もう一度、10年間、保護を受けることができます。
更新登録について、注意しておかなければならないことは、更新登録を申請できる期間は、10年間の存続期間の満了前6月から満了の日までにしなければならないことです。これを徒過すると、申請期間の経過後6月以内であれば、申請書の提出が可能ですが、割増登録料の納付が必要になります。さらにこの本来の申請期間の経過後6月も経過した後は、原則的には更新されなかったために消滅したものとみなされます。
商標権を半永久的に維持しようとする場合には、この更新登録を忘れないようにする必要があります。