215_5商標権が消滅した日から1年を経過していない他人の商標

又はこれに類似する商標で、その指定商品等について使用するもの

 条文では、「商標権が消滅した日から一年を経過していない他人の商標又はこれに類似する商標であって、その商標権に係る指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするもの」(商標法第四条第一項第十三号)となっています。
【説明】他人の商標権が消滅し、その他人が使用しなくなった後でも、1年間位はその商標に化体された信用が残存している場合があります。その場合には、新たな人がその商標を使い始めると、出所の混同を招くおそれがあることから、1年間は登録を受けることができない、としています。特許庁の審査基準は、次のとおりです。


1.本号の規定の適用に際しては、商標権の存続期間経過後であっても、第20条第3項又は第21条第1項の規定に基づく更新登録の申請があったときは、商標権の存続期間が更新されることに充分留意するものとする。
2.第53条の2に規定する商標登録の取消審判において登録を取り消す旨の確定審決を受けた請求人が、当該取り消された登録商標と同一又は類似の商標であって、その指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務を指定する商標登録出願をしたときは、本号の規定は適用されない
(第4条第4項参照)。

 

 上記1.は、商標権の存続期間が経過しても直に商標権が消滅するわけではないこと、商標権が一旦消滅した後でも回復する場合があることを注意喚起しています。